【男性不妊】痛み止めの成分イブプロフェンが男性の不妊に関係してる?
市販の解熱鎮痛剤や風邪薬などにも配合されているイブプロフェン。頭痛や生理痛で飲まれることが多いので女性が飲むイメージが強いかもしれませんが、男性も頭痛などで飲む機会は大いにあるかと思います。そんなイブプロフェンですが、『男性の不妊の原因となる可能性がある』という研究結果が示されました。
研究内容
米科学アカデミー紀要(PNAS)の発表より
イブプロフェンを投与した人→イブプロフェン群
偽薬(成分が入ってない)を投与した人→プラセボ群
6週間後・・・
・男性ホルモン(テストステロン)の数値は差がない。
・黄体形成ホルモン(LH)の濃度がイブプロフェン群のほうが高くなった。
実際に精巣からのテストステロンの分泌量を調べてみると・・・
イブプロフェン投与群でテストステロンを含む性ホルモンの分泌量が低下していた。
LHが高いということはどういうことか?
男性の生殖機能は、テストステロンなどのホルモンに大きく依存しています。
このテストステロンが産生されるのがライディッヒ細胞という場所で、LHがライディッヒ細胞を刺激することでテストステロンが産生されます。
人間の体は減ったものを補おうとする機能が備わっており、ライディッヒ細胞の働きが低下してテストステロンの量が減ると、LHの分泌を増やしてライディッヒ細胞の働きを高めます。
つまりイブプロフェンを飲んでLHが高くなるということは、イブプロフェンによってライディッヒ細胞の機能が低下してその代償にLH量が増えた可能性があります。
イブプロフェンは飲まないほうがいいのか?
今回の研究結果を受けて、イブプロフェンは飲まないほうがいいのか?どれくらいなら問題ないのか?など疑問が出てくるかと思います。
研究者の見解は「若い男性が短期間のみイブプロフェンを服用したのであれば男性機能に影響が出たとしても、服用を中止すれば元の状態に戻る」としているため、突発的な頭痛に対して服用したり、一時的な風邪に対して服用する分には問題はないのではないかと考えられます。
しかし、頭痛が続くので長期間飲まなければいけない場合など日常的に汎用している人は不妊のリスクも高くなると考えられるため、妊娠を望むのであれば他の成分の鎮痛薬に変えてもらうのがいいかもしれません。
最後に
私たちの生活において身近な存在であるイブプロフェン。
その手軽さと効果の高さから、ついつい頼ってしまいがちですが、有名な胃腸障害だけでなくその他の副作用のリスクもあるということをあたらめて認識して適切に使用することが重要です。