薬代を安くする方法を薬剤師が教えちゃいます!
薬局で働いていると、患者さんからよく薬代が高くて大変!という言葉を聞きます。
確かに定期的や突発的に出ていくお金としては負担が大きいですよね。
同じ薬ならなるべく安く済ませたいと思ってる人も多いはずです。
では薬代を安くするにはどうすればよいか?薬剤師がそんなことを紹介するのも変な話ですが、思いつく限り紹介したいと思います。
薬代を安くするには
2018年4月からの調剤報酬点数で紹介しています。
※1点=10円
安い薬局を選ぶ
まずは処方箋を持っていく薬局選びから。
薬局にはそれぞれの設備によって基本料や加算料があるため、同じ処方箋でも持っていく薬局によって全然金額が違います。
調剤基本料の違い
その薬局が特定の病院からどれくらいの割合で処方箋を受けているかで金額が決まります。つまり、病院やクリニックのすぐ近くに薬局が一つしかない場合は安い可能性が高いです。条件として月に合計2000回以上処方箋を受け付けているなど、それなりに多く処方箋を受けているか、チェーン薬局でそのチェーン全体で月に40000回以上処方箋を受けている薬局である必要があります。なので個人薬局だと調剤基本料は安くない場合が多いと思います。
他には、大学病院などの大きい病院の目の前には薬局が数多く並んでいます。そこに同じ会社の薬局が複数ある場合は、他の単独の薬局に比べて金額が安くなる可能性が高いです。(2018年の調剤報酬改定から同じ会社だと合算した受付回数になるため。)
後発医薬品体制加算を算定しているか
これはジェネリックをたくさん使用している薬局が基本料に加算できるもので、直近3か月のデータを使用するため常に変動がありますが、この加算を算定していない店舗だと安くなります。
18点、22点、26点の3段階で18点ついた場合だと3割負担で50円ほどです。毎回かかる金額だと考えると、結構大きいですよね。加算を算定しているかどうかは、受付時に聞いてみるか、電話で聞いてみる、もしくは薬局内に掲示されているはずなのでそれを確認するなどの方法で調べられます。直接聞くのはちょっと、、、薬局内の掲示物だけ見に薬局に入るのも気が引ける、、、と思いますので電話で聞くのが一番ですかね。
お薬手帳を持っていく
これは薬学管理料のうちの薬剤服用歴管理指導料という部分に影響してきます。
安くなる条件としては6か月以内にその薬局で薬をもらっていて、かつお薬手帳を持っていくことなので、急性疾患の場合など6か月以内に行っていなければ関係ないのですが、お薬手帳は薬の管理にはとても大事なものなので持っていくようにしましょう。
最近ではスマートフォンでもお薬手帳のアプリがあり、お薬手帳を持参している扱いにできるので便利です。
ジェネリック医薬品にしてもらう
薬を安くするにはジェネリックにするのが手っ取り早いです。ジェネリックは先発医薬品のだいたい半分くらいの金額に設定されているため、一番金額の差を実感しやすいです。
最近では添加物や製造工程を含めて先発医薬品と全く同じオーソライズドジェネリック(AG)も増えてきていますし、ジェネリックの品質も上がっていると思います。
ジェネリックに変えるのが不安な人はまずは薬剤師に相談してみてください。いろいろ教えてくれるはずです。
ただ、薬局としてはジェネリックにどんどん変えてもらって、上でも説明している後発医薬品体制加算の算定をしている薬局も多いと思います。なので一番いいのは後発医薬品体制加算を算定していない薬局でジェネリックに変えてもらうことですね。
用法を確認
用法とは、薬の飲み方です。例えば朝食後や夕食後、毎食前などです。
これと薬代がどう関係しているのかというと、薬局では調剤料というものを算定しています。これは飲み薬だったら30日分で78点、塗り薬だったら10点といったように決まっています。
処方箋で決まっているので安くしようがないかと思いますが、2種類の薬を飲んでいて1つが朝食後、もう一つが夕食後だった場合は調剤料が2つ算定されます。しかしどちらも朝食後だった場合は調剤料は1つで算定されます。
上の例で計算すると、
- 朝食後と夕食後 78×2=156点
- どちらも朝食後 78×1=78点
同じ薬でも78点差がでるため、約200円安くなることになります。
朝食後で飲んだほうがいい薬、夕食後で飲んだほうがいい薬、もしくは分けて飲んだほうがいい薬の場合もありますが、お医者さんに聞いてどっちに飲んでもいいという回答であれば飲むタイミングは統一してもらってもいいかもしれません。金額は安くなりますし、飲むのも楽になるはずです。
お医者さんに言いづらいときは、薬剤師に相談してみてもいいかもしれません。「夕食後の薬は飲み忘れが多いので朝食後に一緒に飲んでいる」という患者さんは結構多いです。こういった相談があれば、薬の内容によってはお医者さんに問い合わせして変更できるか聞いてみることもあります。
安くしたいから!ではなく、飲み忘れを防止したい!という気持ちで相談してみてください。
処方日数を増やしてもらう
たまに花粉症の薬でも14日分とかで頻繁に受診させている病院がありますが、これは99%病院が儲けるためです。
症状の安定していない場合や定期的に診る必要がある場合もありますが、安定している場合や毎年受診している花粉症の場合は30日や60日分でも問題ないと思います。
病院は初診料と再診料に分かれているので2回目は安くなりますが、薬局は同じ基本料なので変わりません。処方箋を持っていくたびに基本料がかかるので長期処方のほうが確実に安くなります。
病院が日数を決めるので薬局としては対応はできませんが、お医者さんに日程が合わなくて長期で出してほしいと伝えてみるとよいかと思います。
もし無理なら思い切って病院を変えるのも手段の一つです。
最後に
簡単にではありますが、処方箋の薬代を安くする方法を紹介させていただきました。
薬局毎に金額が違ったりするため最も安くするのは難しかったりもしますが、同じ薬でも薬局毎で金額が違ったり、飲み方や受診の頻度によっても金額が変わってくるので一度意識して見直してみるのもいいかと思います。
皆さんが最適な治療を受けられ、かつ薬代が節約できるきっかけになれば幸いです。