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片頭痛の予防にビタミンB2とマグネシウムが効果的な理由とその摂り方

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身近なもので頭痛が予防できたらいいと思いませんか?

気圧の変化で頭が痛くなる、肩が凝ると頭痛も一緒にひどくなる、頭痛にはその人それぞれで原因も違えば症状の重さも違いますが、いつ症状が出るか分からないのも悩まされる要因だと思います。

今回は頭痛(片頭痛)の予防に効果のある身近な成分について紹介します。

 

頭痛について

一般的な頭痛の分類です。

一時的な頭痛

・風邪などの時に起こる頭痛

慢性的な頭痛

・片頭痛

・緊張型頭痛

・偶発頭痛

以上のように分けられます。今回はこのうちの片頭痛の予防に効果のある成分について紹介していきます。

 

片頭痛の原因

頭の血管が広がることが原因と考えられています。

セロトニン説

ストレスなどがかかりアドレナリンなどの物質が増えるとそれをコントロールしようと血小板からセロトニンが放出されて脳の血管で急激に増え、血管収縮。

→その後セロトニンが消費されて少なくなると反動により血管が拡張。

→この結果炎症が起きて頭痛となります。

セロトニンには血管を収縮する作用があります。

三叉神経説

なんらかの原因で三叉神経が刺激を受けて血管拡張を引き起こす物質などを放出。

→血管の拡張と炎症により頭痛となります。

 

ビタミンB2と片頭痛

ビタミンB2が片頭痛に効くと言われるようになったのはミトコンドリア病という病気が大きく関係しています。

ミトコンドリア病とは細胞のエネルギーを作り出しているミトコンドリアの働きが悪くなって体の機能も低下してしまう病気の総称です。

そのミトコンドリア病の患者にビタミンB2を1日1回400mgを投与すると働きが悪くなっていたミトコンドリアの機能が改善したという研究結果があり、ミトコンドリア病にはビタミンB2が有効と分かりました。

ミトコンドリア病の患者には片頭痛も患っている人も多く、この治療を続けていると片頭痛の症状も緩和されたということからさらに研究を重ね、

片頭痛の人にビタミンB2を1日1回400mg、3ヶ月間投与すると6割以上の人の片頭痛の発作頻度が半減した

ということが分かり、ビタミンB2が片頭痛の予防に有効だと分かったのです。

しかし1日400mgって多いですね。

どれくらいの量かというと・・・

鶏レバー100gに含まれているビタミンB2が1.8mgなので、22kgの鶏レバーを食べてやっと400mg摂れる計算です。(鶏さんすみません)

ちなみにビタミンB2の1日の摂取推奨量が成人男性1.6mg、成人女性で1.2mgです。

こんな量は現実的じゃない!とみんなも思ったのでその後研究が重ねられ、25mgでも予防には有効と分かってきました。

25mgならニキビや肌荒れなどで飲まれているビタミンB群のサプリメントでも補える量なので現実的ですね。

 

マグネシウムと片頭痛

マグネシウムは神経の働きを安定化させる作用があります。こちらも研究によって有効性が認められていて1日に300~600mgで有効だったとのことですが、マグネシウムは下剤にも使用されているので摂りすぎには注意が必要です。

 マグネシウムとセロトニン

マグネシウムはセロトニンとも深く関わっています。

脳内でセロトニンは上で記載した通り血管を収縮します。セロトニンが急に増えると血管が収縮して、その後セロトニンが無くなるので血管が広がり頭痛につながります。

ちょっとややこしいですが、セロトニンがマグネシウムによって生成され増えますが、急には増えないので片頭痛の引き金になるほど血管は一気には収縮しません。ストレスなどによってセロトニンが急に増えた場合に血管が収縮するので、そこでセロトニンが枯渇して血管が広がるのをセロトニンの量を増やすことによって予防します。セロトニンが枯渇しなければ血管が急に広がることもなく片頭痛の発作も起きない・・・というのが今回のマグネシウムによる予防効果です。

マグネシウムとストレス

 マグネシウムはストレスを抑える効果もあるといわれています。片頭痛の発作はストレスが引き金となることも多いので、マグネシウムがストレスを抑えて片頭痛発作を予防します。

マグネシウムとミトコンドリア

ビタミンB2と同様にミトコンドリアとマグネシウムも関わりが深いです。

ミトコンドリア内にカルシウムが増えすぎると血管収縮を引き起こします。これは片頭痛予防薬にカルシウム拮抗薬があるのを考えればわかると思いますが、このカルシウムが細胞内に入らないようにすれば血管は広がるので予防できるという考え方です。

この細胞内への出入りにはマグネシウムとカルシウムは反対の動きをするようにできているのでマグネシウムを取り入れることはカルシウムを細胞内から細胞外に出すのを助け、血管を広げることにつながります。

マグネシウムはどのくらいの量が必要?

上で研究結果より300~600mgが有効な量と説明しましたが、この量はなかなか食事からは摂れないと思うのでまずは目安として1日200mg程度摂れればいいと思います。

マグネシウムが多く含まれている食べ物・・・ひじき、こんぶ、ワカメ、納豆など。

 

まとめ

ビタミンB2とマグネシウムの片頭痛予防効果についてお話してきました。

これらは身近に存在する成分ですし、比較的手軽に補うことができると思います。まずはこれらの成分について理解して、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事が頭痛との付き合い方に少しでも役に立てれば幸いです。