薬剤師になるまでの道のり
薬剤師になるのは大変だと思っている人が多いと思います。しかし、実際にどのような道のりなのかはしらず、イメージが先行していませんか?
今回は、そのイメージを変えるまではいかないまでも、簡単に道のりを紹介したいと思います。
薬学部に入学するまで
薬学部に入学するためには、倍率の高い入学試験に通らないといけません。この倍率は5~6倍が一般的で、偏差値は55前後といったところでしょうか。
学費は200万/年が一般的です。
2006年入学から4年制→6年制に移行し、倍率は下がるかと思われましたが、そこまで下がらなかった印象です。
もちろん、慶応大学のようにトップクラスの薬学部では偏差値は65近くで、倍率も15倍を超えるようですが、逆に名前を書けば受かってしまうような薬学部も存在するのが現状なので、学力で薬学部に入学できないというのはないと思います。
しかし、名前を書けば受かるような大学は学費が倍近く高かったりします・・・
私立薬学部の入学試験科目は、『化学』、『数学Ⅰa&Ⅱb』、『英語』が多く、科目数の少なさと数学はⅢがないのが特徴的です。
大学1~3年
基礎科目を学習する期間です。
物理、生物、化学などの基礎から、薬理、病態などの専門的なことまで幅広く学びます。
大学4年
基礎の学習は終了して、専門科目を学習する期間です。
臨床に関連したことが少しずつ増えてきて、自分が薬剤師になることを実感するのもこの時期かなと思います。
そして、4年生から5年生に上がるためには共用試験をクリアしなければいけません。
共用試験とは?
全国の薬学部が共通して行う評価試験。5年生から始まる実務実習を行うにあたって、最低限の知識、技能を備えている必要があります。この試験を行うことで、各大学間で薬学生のレベルを一定水準以上に保つことができ、実務実習に参加する学生が基礎的な知識や技能を備えていることの証明をすることができます。
そのために行う試験が、以下の2つです。
- CBT(シービーティー)
- OSCE(オスキー)
CBTとは
知識を問う試験で、パソコンにて選択式の試験を行います。
OSCEとは
技能・態度を問う試験で、患者応対や調剤の手技などを実際に評価者の前で行います。
以上を4年生に行い、5年生へと進みます。
5年生
5年生では実務実習がメインとなります。薬局、病院それぞれ11週ずつ行うため、約5ヵ月間はこの実習を行っていることになります。
ここで薬剤師としての基礎的な技能などを学び、自分の進路を考える時期にもなるかと思います。
この実習をすることで、実際に就職した際に即戦力になるというのも、目的の一つです。それを期待している薬局も多いかと思います。
6年生
就活から始まり、卒業論文を仕上げるために研究室中心になることが多いかと思います。夏以降は卒業試験や国家試験にむけて勉強の日々になりますね。
勉強を始める時期ですが、早いに越したことはないです。しかし、最後の学生生活なので遊ばないのももったいない。しっかり切り替えれば9月からの勉強でも全然間に合います。もちろん卒業試験の日程によっては変わってきますが、遊びから勉強モードにしっかり切り替えるためにも、だらだら始めるのではなく、いつから始める!としっかり決めてそこから徹底的に始めるのがおすすめです。
国家試験
国家試験に合格すれば、晴れて薬剤師になることができます。この国家試験ですが、難易度はそんなに高くないです。基本ができていれば合格ラインはクリアできます。この国家試験で落ちてしまう人は、基礎ができていないはず。4年のCBTレベルの内容は全教科しっかり理解して解けるようにしておけば、あとはひたすら暗記で点数を伸ばせます。難しい問題は解けなくても合格ラインはクリアできるので心配しなくて大丈夫です。
最後に
以上が、簡単にではありますが薬剤師になるための道のりでした。
大学が6年間あるのは大変ですが、資格は一生ものです。頑張った分だけ、働いてから良いことがたくさんあります。
人の役に立ちたい、医療業界で働きたい、薬に興味があるなど、動機はなんでもいいので、薬剤師として働きたいと思える人が少しでも増えれないいなと願っています。