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虫歯や歯周病の原因菌を減らす乳酸菌、ロイテリ菌とは?

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歯周病も虫歯も口の中の細菌が原因ですが、その細菌はいつから口の中に存在しているのでしょうか?実は生まれた時には口の中に虫歯の原因となる細菌は居ないんです。

感染の窓

虫歯菌(ミュータンス菌)に感染しやすくなる時期のことで、奥歯が生えてくるまで1才半ころから2才半ころまでがそれに当たります。これ以降では口の中の細菌の量が決まってくるので虫歯菌の感染リスクは低くなりますが、この『感染の窓』の時期に感染すると虫歯菌が定着しやすくなり、生涯虫歯になりやすくなってしまうと言われています。

スプーンやストローを使い回したり、噛み与えや自分たちの箸で赤ちゃんに食事させたりすると細菌が移ってしまい、感染の可能性が高くなるので注意しましょう。

母乳にはロイテリ菌が含まれている

ロイテリ菌は母乳に含まれています。赤ちゃんは初乳を通じてこのロイテリ菌を獲得し、虫歯菌などに感染しないよう準備するわけです。

初乳とは・・・

産後10日くらいまでの間に出る母乳のことで、栄養や免疫成分がたっぷり含まれています。

初乳に含まれる主な成分は以下のとおりです。

  • タンパク質
  • IgA抗体
  • ラクトフェリン
  • ビタミンA、D、E
  • コレステロール
  • カルシウム
  • 鉄分

これ以外にも豊富な成分が含まれますが、ここにロイテリ菌も含まれます。健康なお母さんの初乳にはたくさんのロイテリ菌が含まれていることも分かっています。

ロイテリ菌は安全

ロイテリ菌はいくら摂取しても副作用が全くないことが証明されています。(食品医薬品局より)

この安全性から世界中で使用されていて、小児科領域では世界で最も多く採用されているプロバイオティクス乳酸菌です。もちろん日本でも多く使用されていて、約6000もの医療機関で採用されています。

プロバイオティクス乳酸菌とは・・・

腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物のこと。

この有益な作用とは、便秘や下痢を抑えたり、腸内環境を改善したり、免疫力を回復したりといったことが挙げられます。

つまり、ロイテリ菌はこのような有益な作用を示す乳酸菌ということです。

ロイテリ菌はこんなにすごい

2週間連続摂取すると虫歯の原因菌が80%減少した

1週間摂取すると起きた時の口の中の不快感が軽減し、口臭も軽減した

ついでに腸内フローラが整うため便秘や下痢にも効果が期待できる

 こういった結果が報告されているみたいです。確かに朝起きた時の口の中の不快感は嫌ですよね。ロイテリ菌を取り入れて口の中の環境を快適に整えたいですが、どのように取り入れればよいでしょうか?

ロイテリ菌の取り入れ方

ロイテリ菌の一番手軽な取り入れ方はタブレットかなと思います。メーカーのホームページなどから購入できます。

(2017.9.19にオハヨー乳業からロイテリ菌のヨーグルトが発売されます!かなり手軽にロイテリ菌を取り入れることができるようになりますね。2017.9.17追記)

タブレットの使い方は夜の歯ブラシの後にロイテリ菌のタブレットを1粒溶かすように舐め、口をゆすがずに寝るだけなので非常に簡単。

効果が出てくるまでは毎日使用し、効果を実感してきたら2日に1回、3日に1回など回数を減らして継続すると経済的ですし効果も長続きするのでオススメです。

 

追記(2017.9.20)

ロイテリ菌のヨーグルトが発売されました。その名も『ロイテリヨーグルト』

特徴や実際に食べた感想を記事にしているので、よかったら参考にしてください。

 

www.kenchii.xyz

 

 おわりに

ロイテリ菌は手軽に取り入れられそうですね。こんな簡単に虫歯や歯周病の原因菌を減らせるのであればやってみる価値はありそうです。健康な口内環境を目指しましょう!